平成22年度研究事業

適切な認知症ケアマネジメントの推進に関する調査研究事業
(厚生労働省/平成22年度老人保健健康増進等事業)

介護保険を利用する認知症の人の急増が続いており、認知症の人の利用者本位、自立支援、尊厳の保持を実現していくために、地域のさまざまな人材に対する認知症の理解や認知症ケアマネジメントの研修が増加しつつあります。一方、初期からターミナルまで長期に渡る経過をたどる認知症の人に効果的な認知症ケアマネジメントを実施するためには、事業所別に認知症ケアマネジメント力の向上を図るだけでは限界があり、自治体として認知症ケアマネジメントに関する明確な方針を掲げ、一体的に認知症ケアマネジメントを展開することを推進していくことが不可欠であるとの指摘が各方面から提起されてきています。
こうした中、自治体としての方針を掲げて管内の認知症ケアマネジメントを積極的に推進する自治体が全国各地で増加しつつあり、多様な成果が報告されるようになってきています。推進策に着手できずに留まる自治体も多く、自治体間の取り組みの格差の問題を指摘する声が多数あがっていますがこれまで全国の自治体の推進の現状ならびに先進地域の推進策と成果等を集約するための調査が行われていません。
本調査研究事業では、全国の都道府県、市区町村、取り組みの先進地域における認知症ケアマネジメントの推進の現状と成果・課題に関する調査を実施し、その結果をもとに、認知症ケアマネジメントを自治体単位で推進するためのプログラムやガイドの開発と検証を行い、それらの普及を通じて適切な認知症ケアマネジメントの効果的な推進を行うことを目的としています。

>>適切な認知症ケアマネジメントの推進に関する調査研究事業報告書(PDF:約4.5MB)


地域密着型サービスの質向上にむけた評価の徹底活用および外部評価を保証する評価機関、評価調査員の均質化に関する研究事業

(厚生労働省/平成22年度老人保健健康増進等事業国庫補助事業)

>>事業報告書


「認知症を知り、地域をつくる10カ年」新構想にむけた地域創生に関する調査研究事業
(厚生労働省/平成22年度老人保健健康増進等事業)

厚生労働省が2005年に打ち出した「認知症を知り、地域をつくる10カ年構想」に基づき展開された全国キャンペーンによって、2009年度までに目標値を上回る認知症サポーターの養成、多様な町づくりモデルの蓄積、本人ネットワークの広がり、本人と家族の意見を活かした支援の拡充などの成果があがっています。全国一律の発想や方法を越えて、地域固有の文化や風土、地元にある多様な資源を活かした主体的な地域づくりが各地域で展開されるようになってきていますが、自治体による取り組みの較差が大きな課題になっています。
また、認知症医療やケア技術の進展や、地域密着型サービスを中心とした新たな地域生活支援の展開、認知症の人の記憶障害を補う福祉機器の開発等、多彩な技術革新が進み、認知症の人が地域でより良く暮らせる可能性が飛躍的に広がってきていますが、それらは一部にとどまっており、速やかな普及が求められています。
地域では、認知症の人や家族が孤立し生命の危機に陥ってから発見されるケースの急増や本人の代弁役・後見役の圧倒的な不足等々、深刻な社会問題が山積しており、超高齢化が進む中、地域支援のあり方の抜本的な再構築が急務になっています。10カ年構想が打ち出されてから既に5年が経過し、この間の成果と変化をふまえて各地の地域づくりが実質的に発展するための「新構想」を国レベルで提起すべき時期にきています。
本調査研究事業では、全国各地域が自律的・持続発展的な地域づくりを着実に展開していくことを国として推進するための「新構想」立案にむけ、より発展的で実効性の高い根拠資料を作成することを目的としています。

>>調査研究事業報告書